黄昏の 雫湛えし頂は 金の盃 暁月夜
- サイズ
- 58
- 数
- ニジマス(ハコスチ)58~40cm 3本
ニジマス(ブルーバックレインボー)30cm - 釣り方
- ☆ネイティブトラウト
- 場所
- 群馬県
- 天候
- 晴れ時々曇り
- 釣り人
- 碇山 篤志
- 釣行日
- 2023.10.13
使用した釣具
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- 釣竿
- レラカムイRKSS-69ML
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- リール
- ステラC3000MHG、2500F4
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- ルアー
- バックス、ヘブン、ミュー、フロントレイク、アルフスプーン、ピュア、リアライズ等
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- 道糸
- PE0.4~0.6
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- ハリス
- フロロ6~8lb.
コメント
こんにちは、狭山店の碇山(いかりやま)です。
今回も湖へネイティブトラウト狙いに行ってきました。
タヌキの尻を追いかけ、道を塞ぐイノシシファミリー5~6体をストライクしそうになりつつ、夜中の山道をひたすら走り続け、一気に森が開け、たどり着いた先に広がる天空の湖・野反湖。
周りに何の灯りもなく静かな暗闇に広がる星空と、訪れる朝を予感させるように微かに明るい遠くの山々。そこに浮かぶ月は暗い夜空に輝く金の盃のようで、この山の頂きで天の雫を受け止め水を湛える野反湖そのもののようだ。
気温…1~2℃。防寒対策をしっかしりて明るくなった頃湖面に降りていく。
前回と同じポイントに入るとまだ誰もいない。同じポイントだか少し場所をズラしてアプローチ。
先発は前回と同じバックス6.5g、狙いは対岸手前のブレイクラインを通過した辺り、答えはすぐに返ってきた。
コンッ!というアタリを掛けるとあの引きが…
しかしここは慌てずにファイト、しかしランディングネットが上手く用意出来ずあたふた…まだ魚は付いている。ネットが広がらないわ、絡むわとグダグダのまま無事ネットイン。
引きの強さも特徴的なハコスチですが、この魚体の美しさも忘れてはいけない…そう再認識させられるような、めちゃくちゃ男前な顔付きと色合い。
すっかり日も昇り少しずつ心無しか暖かさも増す。さぁこれから連発するか??
しかし今日は前回同様にブレイク付近を探るが反応がない…どれだけ良いラインにルアーを通してもだ。立ち位置が違うからか?前の立ち位置に移動すべきか?
スプーンをリアライズに変更し巻いてくると、不意にブレイクラインと全く無関係の途中の中層でひったくりバイト!これもデカそうだったがバラシ。その後も似たパターンでアタリが何度かあり、コンッとかドスンッと来るアタリではなく、追ってきて静かに食う、そのまま重くなるような食い方をしている。
ここで少し移動し立ち位置を変更。ブレイクラインに対して直角に狙ってたのを、平行に狙いつつ、深いエリアを広く探り中層をふらつく魚を広く狙える立ち位置に変更。
風も吹いてきて、飛距離も欲しいのでスプーンをヘブンの9gに変更。肉厚のスプーンで飛距離と浮き上がりを抑え泳層も深めを狙う。
また普段はスプーンの立ち上がり重視で1~2回竿先でラインを弾いてリトリーブを初めるパターンを良く使います。流れの中やピンポイント狙う等立ち上がりが重要な場面や、すぐにスプーンをアピールしたい、狙ったラインに真っ直ぐ通したい等…ですが、今回はピンポイント(ブレイクライン)に魚が固執していない、途中のオープンエリア中層まで追ってくる、しかし食いは浅い…そこで狙い方を変えてみる。
着水後、普段はフリーフォールでカウント3~5秒のレンジで立ち上がりからの数mが勝負でしたが、今回は同じレンジに自然にスプーンを送り込む為に、カーブフォール(またはデッドスローリトリーブ)でカウント6~8秒(フリーフォール3~5秒レンジに入れるイメージ)で送り込みそのまま緩やかにリトリーブ開始していく感じです。これで静かにポイントにスプーンを送り込み自然に追わせて食わせる作成です。
その答えがコレです。
ブレイクライン数m沖側に着水させたスプーンを6秒カーブフォールからのリトリーブ…ブレイクライン沖を静かに泳ぐスプーン十数m巻いてきた所でコンッともドスンッとも来ずに静かにズウーンと重くなるのを掛ける!
バットまで曲がりこみ重量感を竿全体で受け止める。すんなり手前まで寄って来たのは良いが、こちらも魚体が見え、魚も岸沿いの浅瀬とこちらの姿が見えて気付いたか?
お互いが感じたであろう…『コレはヤバい』
予想よりもデカい魚体にヤバいと感じたと同時に襲う強烈なカウンター、一気に反転して20m近くラインを引き摺り出していくパワー。
ここから長い戦いが始まる。寄せては走られを繰り返し、急角度は反転や首振りに背中にラインが擦れ、弾かれる感触…手前の浅瀬の岩場に擦られないよう深場でやり取りをし、ランディングのタイミングを伺うが、ネットの枠をどう見ても超えるサイズ。
一度目のトライでネットに収めようとするが、この巨体が入り切らず、二度目のトライで網の深さを利用してなんとか尾鰭までネットに収め勝負が付いた。
前回のも遥かに上回るド迫力の個体…
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ギリギリ60cmには届かなかったが、58cmの立派なモンスターサイズ。
ジャンプはなんとか回避出来たが、ハコスチならではの強烈な引きはサイズ以上のド迫力でした。
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その後もバックス9.3gでまたしても追ってきてのバイト!
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これも非常に男前な顔付きと色濃い個体で迫力のある魚でした。
その時もアルフスプーンで手前のブレイクに追い込む形でバイトがあったが、一瞬でフックが伸ばされバラシ。岸際に追い込んで足元でバイト!…これも実はハコスチの得意技らしいです。
昼前になり釣り人も増えだし、さっきまで釣りしてた場所に容赦なく餌釣り仕掛けが目の前に降り注ぎ始めたので撤退。
ちょっとポイント移動前に探るとヒットしたが…ウグイでした。
午後はポイント移動して、以前に夕まずめに訪れた流れ込みへ。
釣り人も多いが、早速対岸でハコスチをヒットさせ大ジャンプと猛ダッシュを楽しんでいました。
僕は流れ込みの駆け上がり際でまたしても追い込みバイトを捉えきれず…ハコスチの得意技にやられる始末…
そのまま岸沿いを探ると、夏よりも水位も回復し、枯れていたいくつのも流れ込みが復活しています。泥質の場所も多く滑り安いが、大小様々の人や、人ならざる者の足跡が刻まれてます。
人気ポイントなのか?人が多いエリアに。
空いてるスペースに入り探るがかなり水深がある。深い所はカウント20秒でようやく底取り出来るくらいだ。ここでヘブン9gでカウント10秒のレンジを狙うとアタリが!しかし掛からずそのまま誘ってみると、ようやくヒット!!
そんなに引かないので小さいか?と思って寄せてくると、青く光る魚体が…
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これが噂のブルーバックレインボーか!!
サバのように青い背中。澄んだ水と遮る物のない開けた青空の下、青空と水色が染み込んだような綺麗な青でした。
その後も同じレンジを狙うと連続で反応があり、おそらく回遊でそのレンジ、場所が上手くハマったのでしょう。
今度はカウント5秒の浅めの棚を狙ってみると…コツッ!!という強烈なアタリ…ハコスチだ!と思うや否や、強烈なビッグジャンプ!コレもハコスチの得意技。そしてそのジャンプにやられバラシ…
午後は夕まずめギリギリまで狙ってみたが、チャンスはこれで終了だった様子。
野反湖は魚引きも美しさも素晴らしいのですが、いつ来てもとにかく景色が美し過ぎる!!
何度来ても風景写真ばかり撮ってしまう程。日本とも思えない風景、広がる青い湖と高山植物。そして前回にも増して秋色に色付く草木。紅や黄に染まる草木は午後の日差しを浴びて黄金色に染まる様は、夜明け前に見た掛けた月と同じく、金の盃に天の雫を湛えた姿そのものが野反湖なのかと再び思わせるのでした。
紅葉も釣りもまさに見頃、釣り頃を迎える野反湖。平地と違い季節の進行は早く夜は間もなく氷点下にまで下がる勢いの為、暖かい装備をお忘れなく。
野反湖は11/10まで。禁漁まで残された時間、雪が降る前に是非訪れて見てください。